グレープ再起動
結成から満50年。漠然とですが折角の50年目の結成記念日11月3日に「GRAPE」でなにかやりたいなあと、思ってはいましたが、肝心の吉田が「GRAPE」をやることに対してどう思っているか解りません。春先に長崎のNBCビデオホールと文化放送70周年の記念コンサートで「GRAPE」としてステージに上がりましたが、その時も吉田は僕に「足引っ張ってごめんね」と謝るばかりでした。何も謝るようなミスをしたわけではないのですが、おそらく彼自身の心のなかで「もっとこう弾きたかった」「もっとこう弾けたのに」という悔しさの方が勝ったのかなと思っていました。
ふと今年の「さだまさしコンサート」を吉田に聞いて欲しくて誘ったら思いのほか喜んで来てくれました。
そしてコロナも下火になったかのように感染者数が下がった時期に一緒に食事をしました。
「GRAPE」についてやる気はあるか、と尋ねたら、こんな言葉が返ってきました。
「この間のコンサートを聴いて思った。お前さんは進化している。だからGRAPEをやったらきっと進化しているはずだし、進化していなければやるべきじゃないだろう。春のライブの時にも言ったが、俺が錆びて足を引っ張って「さだ」に恥をかかせたくない。お前さんの晩節を汚したくない。やるのなら《進化してる》と言われなきゃだめだから、その覚悟をもってやるよ」
久し振りに「GRAPE」の吉田が帰ってきたぞ、と思いました。さて本当にそんな進化が出来るかどうか解らないですが、闘ってみようと思います。
神田共立講堂は1700席以上のキャパシティがありますが、大学の要請で現在客席をフルでオープン出来ません。
申し訳ないですが、おそらく50%弱、800弱しか入っていただけないと思います。
当然赤字です(笑)しかし「神田共立講堂」に帰るのだという熱い思いに今は胸が躍ります。
神田共立講堂でのラストコンサートは今となれば確かに「伝説」の一つですが、これをただの同窓会にだけはしたくないと吉田も僕も覚悟をしています。
あの頃を知っている人も全く知らない人も楽しんでくれる、そんな一夜に出来たら最高ですね。
さだまさしの歌ではない「GRAPE」の歌とは何だろう。
楽しみ半分、恐怖半分。
〜一夜限り〜とは言え、「アンコール」ではありません。
「GRAPE再起動」です。